60代女性 大腸がんの再発から来る播種性多発性末期がん(全身転移)|神戸市 南はり灸院
忘れえぬ症例で、十数年前のものです。
神戸の震災ボランティア関係の知人の紹介患者さんでした。
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一年前に大腸がんの再発から来る播種性多発性末期がん。
余命3か月の宣告を受けました。治療としては、抗癌剤の治療のみ。 2年前に受けた大腸がん(初期)の手術の術後経過がよく、体調も順調だったので、 また、元の生活に戻れると喜んでいた矢先だったので驚きでした。 相変わらず、体調は良く、それでも3か月の命ならと、天理教の修養科に入って、 そこで終わるものならそれもよしと意を決し、天理の病院で、治療を受け乍ら、修養科生活に入りました。 すぐに点滴抗がん剤の治療に入りました。 第一回目は猛烈な副作用で、万事休す! 髪の毛もアッという間に抜けてしまいました。 余りの辛さにもう抗がん剤は、やめようと思いましたが、皆に諭され て、もう一度頑張ってみようと、 修養科に通いながら、治療を始めました。すると意外、2度目の治療からとても楽になりました。
先生が私に合う薬に変えてく ださったのです。 以後ずっと楽で、3か月、無事終了。病状も相当好転しているとのこと。 神戸に戻ってからも、以前の病院と同じ抗がん剤を継続し、それから息子に勧められて、 南先生の鍼灸院で治療を受けることになりました。もともと耳の異常な反響音で困っていたこともあり、 週一回治療受けることになりました。 わたしの抗がん剤の副作用の最も困っていることは、白血球の低下、それに依る免疫力の低下。 自分では自覚がなかっただけに困った症状だと思いました。 しかし、これが半年ですっかり元通りになり、今では免疫力では、ほとんど心配しなくなりました。 抗癌剤で破壊された白血球を鍼灸がしっかり治してくれたように思われます。 「免疫力がつけば癌は影をひそめますよ」と言われた南先生の言葉は本当です。再発から、約一年、、病院で検査をして頂き、一年前のCT写真と比較して見たとき、 身体のあちこちにばらまかれたがんの影が肝臓の一か所を残して、皆消えていました。 その肝臓の影も一年前の大きさとほとんど変わらず、むしろ少なくなっている位で、本来ならだんだん大きくなるのが常識らしいけど、止ていること自体が有り難いことです。 病院の先生は抗がん剤が大変よく効いていますとのこと。その抗がん剤の副作用をしっかりと治してくれる鍼灸。どれをとっても有り難い天の恵みと喜んでいます。
以上
院長 南追記
知人のお母さんだということもあり、印象に強く残っています。
余命三か月の末期がんですが抗がん剤を受けながら、免疫力を立て直すことを期待されて、当院へ来られました。
鍼灸のみの治療ですが、週二回、一年半ぐらい通われていたと思います。見事に狙いが当たり、全身転移ですが、とうとう肝臓に一グループ残すのみとなり、それも活動が停止したようでした。
奈良の病院の主治医もこの方の体力、免疫力(白血球の数、様態など)を診てこられて、太鼓判を押されていました。
本当に、どこにガンがあるかというぐらい副作用もなくなり、白血球も元に戻り、お元氣に順調に通われていました。
ひとつのみ残っているけれど、悪さをしていないようなので、このまま温存的に経過を見てゆきたいですねと患者さんと話をしてしていました。
しかし、この後主治医が「あなたの体力、免疫力はわたしが保証するからこの間に、もっときつい抗がん剤で残りも叩いておきましょう!!」などと患者さんに勧めてきたのです。
それに患者さんも乗ってしまった、、、、、、
案の定、一回目のきつい抗がん剤に耐えられず、体調を崩されてそれが元に戻らず、奈良から神戸へ転院されました。
その後、一か月もしないうちにお亡くなりになられました。
転院された神戸の大きな病院に二度ほど往診見舞いに行きましたが、
この方は天を振り仰ぐのみでした(この方は天理教の信者さんだった)。
内心、まだ何とかなるはずだと脈状を診ても正氣や生命力を表す胃の氣(漢方用語)があったのですが、最期は、ご自身で天へ召される方を選ばれました。
きつい抗がん剤を受けることも、最後の最期の在り方も、この方が選ばれた道なので、他人がとやかく言えぬのですが、何とも本音、悔しい氣持ちで一杯でした。
主治医は何故、心が急いてしまったのだろうか?
鍼灸治療を受けていることを知らせていなかったこともあり、
元々の強い患者さんだと思ってしまったのだろうか??
否、今想うに、やはり患者さんに本当に治療の主体性が欠けていたのではなかろうかと思うのです。
西洋医学と我々、鍼灸師や漢方医、代替医療医、場合によっては、整体師(エネルギー療法や心因を深く遡り癒せるキネシオロジスト)がチームになれば、もっともっと救われる方々が続出されるはずであります。